人気ブログランキング | 話題のタグを見る

いわゆるフランシスカン問題とフランシスコ会の中世典礼への貢献


by liturgia
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

ファヴァーシャムのハイモにより1243年から1244年に編纂されたとする『ミサ式次第』Ordo Missalisに定められた灰の水曜日に行われる灰の式の儀式。ミサの中では行われず、ミサに先立って行われている。


 四番目の週日はミサ前に過去の年に祝別された枝から作られた灰が祝福される。もし祭壇前面の中心にあるなら次のように。

 最初にアンティフォナ Exaudi nos domine. 詩編 Salvum me facが歌われる。V GloriaとExaudi nos domineが繰り返される。次にDominus vobiscumと唱えられる。集会祈願 Omnipotens sempiterne Deus parce metuentibus. Per Christum dominum nostrum. R. アーメン 祈りましょう Deus qui non mortem Per Christum dominum nostrum. R アーメン 祈りましょう Deus qui humiliatione flecteris. Per Christum dominum nostrum Ihesum Christum filium tuum qui tecum vivit et regnat in unitate spiritus sancti Deus per omnia secula seculorum. (謙遜に跪く神よ。あなたの子、私たちの主イエスキリストによって。あなたとともに生き、聖霊との一致のうちに治めておられます。代々、とこしえにR.アーメン

 祝福後、まず灰が、もし居合わせるのであるならば他の司祭によりミサを捧げる司祭にかけられ、祭壇の前で跪いた司祭に(居合わせた司祭)が灰をかける。そして、直ちに聖歌隊席でアンティフォナ Immutemur habitu と Iuxta vesibulumと応唱 Emendemus in melius V Adiuva nos Attende V Gloria. Attendeが歌われる。司祭は、アンティフォナと応唱が歌われている間、まず祭壇前で跪いている奉仕者たちに灰をかけ、Memento homo quia pulvis es(人は灰であることを覚え)云々と唱える。兄弟たちが二人ずつきて、祭壇の前で跪き、奉仕者について言われたように、司祭から灰を受ける。

 灰を受けることが終わると、Dominus vobiscumと唱え、祈願 Concede nobis domine. Per Christum dominum nostrum. R. Amen.


# by liturgia | 2023-05-30 10:02 | 中世典礼とフランシスコ会

(54)3 フランシスコ会が編集したこの書は広く広がった伝統を持っていたに違いない。それはある程度改訂され、よく練られた形式で存在していた。つまり、ルブリカ、抜粋、式次第あるいは、その典礼活動が13世紀の50年から75年に遡る修道会の慣習書。その時期は、小さき兄弟会が彼らの典礼書を改訂していた時期である。こうして、「教皇庁」の資料の損失は適応されたテキストの存在により何程か補われた。そして、Indutusのこれらの特徴と起源は暗示されうる。これらの適用はここで研究することができない。それは修道院のミサ典書とドミニコ会の式次第書の小祭壇のミサ典書の、そして、フンベルトゥス・ロマーヌスにより50年代の初めに編纂された式次第に言及することで十分だろう。それはカルメル会の式次第書に部分的に一致し、ドミニコ会のモデルの基礎に1271年後に改訂され、そしてスビアコとサクロ・スペコのベネディクト会の14世紀の慣習書の版になった。しかし、その最も完全な形式でローマのoreo agendorumが、オジモのクレメントClement of Osimo (1269-74;1284-91)の総長期の一つに準備されたアウグスティノ会の式次第書に存在する。

 教皇庁の典礼に対するアウグスティノ会士の関心は1290年代の総会憲を超え、インノケンティウス4世の時代にまで戻る。その当時、会は、まだ一致していなかったが、フランシスカンの会則の典礼書とファーヴァーシャムのハイモの訂正に基づいたものを使用し始めた。(55)こうして、二つの会は教皇庁の人々の典礼に関心があったのは疑いない。

 アウグスティノ会の儀式書は39章からなり、共通する朗唱定型(a tonale of common tones)が続く。最初の部であるOrdinationes Fratrum Heremitarum Ordinis sancti Augustiniは幾つかの写本が伝えられているが、その起源に関する明確な証言はない。しかし、表面的に読み、フランシスコ会のOrdinationesとIndutusとの比較から、全ては共通の資料を持っていることが示されている。Indutusは、アウグスティノ会のOrdinationesの34章からなるモデルから編纂されており、それは次のような題を持つ。

De agendis in missa conventuali per sacerdotem et ministros precipue in maioribus et minoribus duplicibus et semiduplicibus et dominicis diebus.(大小復唱及び半復唱及び主日の司祭と奉仕者のための修道院ミサにおける振る舞いについて)。

 アウグスティノ会の修道士たちが導入した変更と修正がどんなものであろうと、この章全体として共通のモデルに非常に近いものであり、ドミニコ会士とフランシスコ会士により彼らの対応する儀式書のために使用された。しかし、この点は、アウグスティノ会士と説教者修道会士が元々のagenda、すなわち儀式のための記述を保持していることであるが、フランシスコ会の編集者は、言葉、すなわち典礼書の出出しの言葉であるdicendaの正確な指示を付け加えた。彼はまた司式者の奉仕者(ministri)のための、そしてより高いグレードの主日と祝日のための規定を全て削除した。言い換えれば、彼は彼のモデルから司式者に関連するg式場の中期の剥き出しのそして辻褄の合わない一軍のものを抜き出した。(56)テキストに対するこれらの、そして正確な指示から、彼は明確で適法な論文を生み出した。最後に、彼はミサそれ自体の記述に対して三つのリストと二つの一般的な指示を、すなわち祭壇の下での始めの祈りと祭儀の後に付け加えた。

 アウグスティノ会の儀式書ーそれはフンベルトゥス・ロマーヌスによる儀式書における対応するテキストに非常に近いーとフランシスコ会のIndutus planetaからの以下の図表による抜粋は、著者により導入された広範囲にわたる変更のいくつかを明らかにするだろう。しかし、著者は彼の手本としたものの順序と言葉遣いに非常に似ている。(以下引用が続く)


# by liturgia | 2022-03-01 20:41 | 中世典礼とフランシスコ会

2 振る舞いと言葉に関するこの儀式書の二重の性格は、別のどう時代のローマ儀式書と比較することから明らかになる。少なくとも一世紀以上の間、儀式書は次の流ぶりかで始まっていた。

 司祭はローマ教会の慣習に従ってミサを自ら行う準備ができた時、この詩編を唱える。Quando presbiter (sacerdos) parat se ad celebrandum missam secundum consuetudinem Romane ecclesie( curie) dicat hos psalmos…

 あるいは導入の祈りを省いて、準備ができた(司祭)は祭壇に向かい、Introibo…を唱える。Paratus autem (sacerdos) intrat ad altare dicens Introibo…

 ミサについてのそのほかの中世後期の儀式書のように、(53)Paratusで始まる儀式書はわずかな語の、むしろ不十分なルブリカを持った一定不変のテキストを提供する。それは振る舞いの儀式書よりもむしろ言葉の儀式書である。そして、それは助祭や副助祭の侍者を前提とする時、歌唱ミサだけのための儀式書である。フランシスコ会の司祭はこのParatusを会則のミサ典書に見出し、ミサ典書は言葉の儀式書のためのものであった。しかし、彼は振る舞いの義s奇書、すなわち対応しているローマの儀式書の説明を必要とした。

 同時代のローマの振る舞いに関する儀式書のいくつかは聖クララの聖務日課書の二つの一連の注記に保存されている。それらは奉献文、ホスチアを裂くことと聖体拝領、そして、二義的であるが、祭壇に口づけするやり方とその回数に関して説明している。実際に、注記はほとんど新しくない。最初の一連のものは、注記が切り取られ、そして典礼のテキストに挿入されているParatusからのルブリカから成り立っている。第二の一連のものーそれと同じようなことがIndutusに起こっているがーいくつかのあまり重要ではない細部に貢献している。役に立つのであるが、それらはまさに必要なことをカバーしているだけである。これ以外のこの主題に関する振る舞いに関する「ローマ」儀式書はローマの典礼書にもフランシスカンの典礼書にも保存されていない。しかし、Indutusという題名は、この作品がローマ教会の慣習と一致していることを証言している。そして、著者は教皇庁のモデルを使用したに違いない。いくつかのそれ以外の事実は同じ方向を指している。すなわち、未知のordinarium de officio misse は宮廷の司教儀式書に引用され、教皇庁の儀式書の一部だけが少なくとも3つの手稿に伝わっている。それらのどれもあるいは後のOrdines Romaniも、Indutusがモデルとされたテキストの跡を全く示していない。


# by liturgia | 2022-01-29 17:10 | 中世典礼とフランシスコ会

 週日に修道院のミサは主日あるいは祝日よりも荘厳さはなかった。Indutus自体の用語では、儀式はsimplex conventualis(修道院的に単純に)だが、祝日にそれは荘厳にsolemnisそして/あるいは秩序づけられたordinata者だった。司式者の部分は私唱ミサのそれとほとんど変わらないので、両者は一つの論文にk術されうる。このため、Indutusの著者は二つを結びつけ、必要な時に相違する点に注意をした。式次第は侍者にも共唱席にも祝日の付加的な儀式にも関心がない。これら全ては、然るべき言及がなされる式次第書Ordinationesに記述される。しかし、Indutusは二つの極めて単純で最もよく行われるミサについての基本的儀式についての非常に短い記述をおこなっている。つまり、年間を通じて行われる私唱ミサとそれよりも少々荘厳な週日に行われる修道院ミサについての記述である。等級のある祝日に対する式次第書の付加された指示を伴い、式次第書は現実にいかなる携帯のミサ儀式に対する司式者の規則集になった。


# by liturgia | 2022-01-22 19:25 | 中世典礼とフランシスコ会

S.J.P. van Dijk, “The Sources of the Modern Roman Liturgy. The ordinals by Haymo of Faversham and related Documents (1243-1307)", E.J.Brill, Leiden 1963. Vol.1からの試訳


THE ORDER OF ACTION AND SPEECH FOR PRIVATE AND FERIAL PUBLIC MASSES BY HAYMO OF FAVERSHAM(1243) 


(50)1226年の死の1年か2年前、聖フランシスコは、自分が参加できない総集会に一通の手紙を書いた。新しい典礼規定への反対に直面し、そして、文字の読める聖職者と司祭たちに好まれた典礼生活の悪い結果を心配し、公的礼拝の執行における精神と意図の純潔さに対して、人気のあるやり方あるいは一時的な評判に反対するため、そして会則の厳格な遵守のために聖人は願った。聖なるミサを行うとき、彼は、自分たちの修道院で「1日に一回だけのミサが聖なる教会の儀式に従って祝われるべきだ」と進めることで古代の伝統を蘇らせることを望んだ。そして、彼は次のことを付け加えた。

 もしその場所に複数の司祭がいたなら、慈愛の愛を通して別のものは別のものにより祝われることで満足すべきである。

 ホノリウス三世のミサ典書の、そして数年後の快速のミサ典書の最初のルブリカの一つは公式二回における私唱ミサを認めている。修道院の意向ミサが典礼暦のある季節の間に歌われてはならないという指示の後に、ルブリカは次のように結んでいる。

 しかし、複数の司祭がそこにいるなら、彼らが望むみさを小声で歌うことができる。

 そのルブリカは、教皇庁礼拝堂の司祭たちが、少なくともホノリウス三世の教皇在位時の後半の時代から私的に祝ってきた習慣であった。(51)それは、このやり方で「ローマ」の慣習についてより正確な指示を正当にも主張してきた会の中の司祭たちの要求をかなり強いものとした。聖フランシスコにより主張された慣習とこの伝統との間の対照は、私唱ミサ一般の歴史に光を当てるだけでなく、この初期の段階で、小さき兄弟たちは私唱ミサと週日のミサに対する儀式書を必要とした理由を説明する。

 このミサの儀式の目的と期限はそのタイトルに述べられている。

 ローマ教会の慣習に従って私唱ミサと週日のそれにおいて司祭によって振る舞われる行為と言葉についての儀式書が始まる。プラネタを着衣し・・・・(Incipit ordo agendorum et dicendorum a sacerdote in missa privata et feriali iuxta consuetudinem ecclesie romane. Indutus planeta…)

 この作品は振舞い(agendorum)と言葉(dicendorum)の儀式書で、行われるべき祭儀と儀式そして同時に唱えられるべきテキストの両方を記述している。次に、これらの儀式とテキストはローマ教会の、すなわち教皇庁とそこで働く礼拝堂付き司祭の慣習と一致している。第3に、儀式書は、私唱ミサあるいは週日の修道院ミサを祝う時の、司式者にだけ関係している。これらの点の各々はいくつかの説明を必要とする。実際的な理由から最後の点、つまり私唱ミサと週日ミサとの間の結びつきと区別がまず最初に説明される。


# by liturgia | 2022-01-20 15:26 | 中世典礼とフランシスコ会